『フランチャイズ(FC)・システムに関する独占禁止法上の考え方について』の改正(案)が公正取引委員会から公表されたことをうけて(令和3年1月29日付)

こんにちは。所長みやじです。

令和3年1月29日付で『フランチャイズ(FC)・システムに関する独占禁止法上の考え方について』の改正(案)が公正取引委員会から公表されましたので,今一度,自社のフランチャイズ(FC)契約書を点検,確認しましょう。

関係法令等:中小小売商業振興法,独占禁止法,不公正な取引方法

令和3年2月時点現在の考え方・公正取引委員会ウェブサイト

また,当該改正案について公正取引委員会では意見公募手続き(行政手続法第39条)を実施しております。フランチャイズ(FC)本部様は,是非意見をいれてみてください。
意見募集についてURLはこちら

詳細はこちらのPDF(新旧対照表)に記載がありますが,以下,概要です。

フランチャイズ・ガイドラインの構成

1.『ぎまん的顧客誘引』の観点から,加盟者募集時に開示することが望ましい事項を記載

(当該事項の不開示等により優良誤認等を与え,競争者の顧客を不当に誘引した場合は違反となる)

2.『優越的地位の濫用』の違反となり得る想定事例を例示

改正案の概要*

1.募集時の説明(予想収益等)について

・予想収益等の説明が不十分

<改定案>

『モデル収益等を示す場合は,収益を予想するものではない旨を説明するよう注記』

公正取引委員会ウェブサイト(新旧対照表)

基本的に契約書や加盟合意書の中で「不確実性」「保証するものではない」旨の規定があるかと思いますが,「自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について,実際のもの又は競争者に係るものよりも著しく優良又は有利であると顧客に誤認させることにより,競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すること。」を防止する趣旨です。

フランチャイズ(FC)本部が加盟店希望者に対して,客観的で正確・適切な情報を提供する義務(情報提供義務)があることは,司法判断でも認められております。予測値と実際値の乖離が著しい場合には,情報提供義務違反のリスクが高くなります。

<情報提供義務違反を認めた判決>

  • 平成14年5月7日金沢地裁判決(コンビニ 本部VS加盟店〇)
  • 平成14年5月7日金沢地裁判決(コンビニ 本部VS加盟店〇)
  • 平成14年10月4日大阪地裁判決(コンビニ 本部VS加盟店〇)
  • 平成21年2月5日大阪地裁判決(本部VS加盟店〇)
  • 平成22年5月12日大阪地裁判決(本部VS加盟店〇)
  • 平成27年1月13日横浜地裁判決(本部VS加盟店〇) など

2.仕入数量の強制について

・無断発注による仕入数量の強制

<改定案>

『「仕入数量の強制」の違反想定事例に,「加盟者の意思に反する発注」を追記』

公正取引委員会ウェブサイト(新旧対照表)

優越的地位の濫用(独占禁止法第2条第9項第5号等)(https://www.jftc.go.jp/hourei_files/yuuetsutekichii.pdf)に該当し得るものです。

加盟者の自主的な判断の意思で仕入れをすることが経済取引における健全な取引とされております。
契約書の中で,仕入れ強制や客観的なデータや根拠がなく仕入れ数量の指定をしている条項があったら今後注意が必要です。

3.年中無休・24時間営業について

・深夜帯の採算性の悪さや深刻な人手不足についての情報の不開示
・時短営業の協議に応じない

<改定案>

『「人手不足,人件費高騰等の経営に悪影響を与える情報」の開示が望ましい旨を新設』

公正取引委員会ウェブサイト(新旧対照表)

平成23年12月22日東京地裁判決においては,本部による加盟店に対する深夜営業指定することに違法性はないとの判断があります。しかし,これも今回の改定では一方的な本部の拒絶や協議に応じないことは優越的地位の濫用にあたるものとしておりますので,コンビニ含め,飲食店におけるフランチャイズ(FC)契約書条項の点検と見直し運用が必要です。

4.ドミナント出店について

・周辺地域への追加出店時の「配慮」の内容が不明確
・口頭での取決めを反故

<改定案>

『配慮の具体的内容を明示するよう注記』

『違反想定事例に,取決めに反した場合を新設』

公正取引委員会ウェブサイト(新旧対照表)

いわずもがな,チェーンストアが地域を絞って集中的に出店する経営戦略で,経営効率を高めるとともに地域内でのシェアを拡大し,他社の優位に立つことを狙うものですが,これをしないということなどを契約条項には入れず,口頭約束で行い,のちに約束を反故しトラブルになるケースが増えた事が背景です。当該配慮する規定があるにもかかわらず,反故にすれば,それは法的に債務不履行責任(民法第415条)における損害賠償請求事件として事案化してしまいます。
一般的にフランチャイズ契約(FC)書の「一定地域について独占的排他的権利」規定を点検確認する必要があります。

5.見切り販売の制限について

・見切り販売の手続きが煩雑との意見

<改定案>

『柔軟な売価変更が可能な仕組みの構築が望ましい旨の注記』

公正取引委員会ウェブサイト(新旧対照表)

いわゆる「廃棄商品」の割引販売などの手続きのことです。

コンビニエンスストアのフランチャイズ契約においては,売上高から売上原価を控除して算定される売上総利益をロイヤルティの算定の基準としていることが多く,その大半は,廃棄ロス原価を売上原価に算入しない方式を採用しているといわれております。この方式の下では,加盟者が商品を廃棄する場合には,廃棄ロス原価を売上原価に算入した上で売上総利益を算定する方式に比べて,ロイヤルティの額が高くなり,加盟者の不利益が大きくなりやすいといえます。

ロイヤルティの算定方法に関し,必要な説明を行わないことにより,ロイヤルティが実際よりも低い金額であるかのように開示していないか注意です。

例えば,仕入れた全商品の仕入原価ではなく実際に売れた商品のみの仕入原価を売上原価(異なる名称であってこれと同一の意味で用いられるものを含む。以下同じ。)と定義し,売上高から当該売上原価を控除することにより算定したものを売上総利益(異なる名称であってこれと同一の意味で用いられるものを含む。以下同じ。)と定義した上で,当該売上総利益に一定率を乗じた額をロイヤルティとする場合(※注),当該売上総利益の定義について十分な開示を行っているか,又は定義と異なる説明をしていないかを確認する必要があります。

(※注)この場合,廃棄した商品や陳列中に紛失等した商品の仕入原価(以下「廃棄ロス原価」という。)は,「(売上高-売上原価)×一定率」で算定されるロイヤルティ算定式において売上原価に算入されず,算入される場合よりもロイヤルティの額が高くなります。

以上,解説とさせていただきます。今後も新しい情報や,意見公募結果など公表でましたら,投稿していきます。

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